こんにちは、ダイナオです。
今回のおすすめ本は、滝沢秀一著「このゴミは収集できません」です。
お笑いコンビ、マシンガンズの滝沢秀一さんがゴミ清掃員として働くようになり、そこで得た経験をもとにゴミ清掃の世界について書かれています。
朝に清掃員の方々がゴミ集積所の脇にゴミ収集車を停めて、ゴミを収集車に投げ入れている光景、誰でも一度は見たことがあるはずです。
この本を読むことで、清掃員の大変さや、ゴミを出す人の人間模様などを知ることができます。今まで知らなかったことを知ることで知見が広がり、自分自身の視野が広がります。
人が出すゴミで色々なことが分かります。ただのゴミと侮るなかれ。
【書名・著者名・出版社名】
「このゴミは収集できません」・滝沢秀一・白夜書房
【著者の紹介】
滝沢 秀一
1976年、東京都生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。「THE MANZAI」2012、14年認定漫才師。「かごめかごめ」(双葉社)などの著書あり。2012年、定収入を得るために、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。ごみ収集中の体験や気づきを発信したツイッターが人気を集め、話題を呼んでいる。
(本書の著者紹介より)
【この本を読んで】
本書は、第1章から第11章までの構成になっています。
無防備すぎるゴミ
第2章「ゴミ清掃員のプロファイラー」では、ほとんどの人がゴミに対して無防備すぎると著者は指摘します。
電気料金、宅配便の宛名、DMなどがそのまま捨ててあるそうです。もし、ストーカーがあなたのことを狙っていたら…。恐ろしくなります。
ゴミの回収中に、結び目じゃないところが破かれていて、また塞がれている。そんなことがあるそうです。
今この記事を読んでいる方で、個人情報が書かれた紙などをそのまま捨てている方は、シュレッダーを買いましょう!著者もその光景を見てからシュレッダーを買ったようです。
治安の悪い地域の見分け方
第6章「ゴミ清掃員のおすすめ物件」では、治安の悪い地域のゴミ集積所は不思議と汚いと著者は言います。
引越しを検討する際は、その物件の近くのゴミ集積所を見るといいようです。
集積所がきれいだと、そこの近隣の方は、きちんとルールを守って生活している可能性が高いと言えます。もし、集積所にゴミが残っていたり、缶や瓶が置かれたままの状態だったら、それは回収不能で残されているので、誰かがルールを守らないでゴミを出していることになります。
ルールを守れない人は、他のルールも守れない人である可能性があります。
本書に不動産の話として、お客さんに、住む近くのコンビニのゴミ箱を見ることをすすめているとあります。家庭ごみでパンパンになっているところは、あまり行儀の良い地域ではないと判断できるとあります。
四季折々の奮闘
第7章「ゴミ清掃員の花鳥風月!?」では、四季折々の清掃作業員の奮闘ぶりが書かれています。
春は、毛虫に注意だそうです。毛虫に刺されると厄介です。私も刺されたことがありますが、痛痒く、刺された片腕がブツブツでいっぱいになりました。
清掃員が毛虫に直接触れなくても、段ボールを回収する際、毛虫たちが段ボールに棘を落としていくそうです。それに触れるだけで、刺されたのと同等のダメージを受けるそうです。毛虫、厄介です。
夏になり、避けられないのは、猛烈な暑さだそうです。万全な準備をしてもなお、清掃員の中で何人かは熱中症で倒れるそうです。
赤道付近のアフリカ出身の清掃員が、東京の夏はキツイよと言ったそうです。日本の夏は、それだけ熱いんですね。
ゴミの減量化
第11章「私、ゴミ清掃員が日本の未来に物申します」では、ゴミの減量化について触れます。ゴミの減量化が叫ばれていますが、清掃員である著者の実感としては、異常なゴミの量だと言います。1人の人間が出すゴミの量は、日本がダントツに世界一だそうです。怖いです。
そこで著者は個人でできることとして3つのこと教えてくれます。
- リサイクルをしてゴミを減らすこと
- 買う前に本当に必要な物かよく考えること、そして必要だと思って買ったら大事に使うこと
- 生ゴミの水分をなるべく切ること
生ゴミの水分が少なければ清掃工場で可燃ごみがよく燃えて、燃やすためのエネルギーが少なくて済むそうです。
以上の3つのことをストレスにならない程度に協力していただけるだけでも、心に留めておくだけでも構わないと著者は言います。
【心に残った著書のことば】
自分だけ良ければいいという考え方はゴミ出しに表れる。
引用元:滝沢秀一(2018年) 『このゴミ収集できません』 株式会社白夜書房(P.110)
第6章「ゴミ清掃員のおすすめ物件」で出てくる言葉です。
最後までお読みいただきありがとうございました。